今回は[2024年グランドスラム達成記念インタビュー]と題して、公益社団法人日本ダンススポーツ連盟(JDSF)年間ランキング対象試合である三笠宮杯とグランプリシリーズのスタンダード・ラテン両部門合わせて全8試合を全て制覇した大西大晶・大西咲菜ペアに改めてインタビューを敢行しようという企画になります。(インタビュアー/編集:弊社代表 棚橋健)
_改めて、グランドスラム達成おめでとうございます!
大晶&咲菜:ありがとうございます!
_さてまず率直に、三笠宮杯では記憶に新しい36年ぶりの両部門制覇を果たし会場を大いに沸かせた二人ですが、直近に行われた沖縄グランプリでの優勝をもって、前代未聞の快挙達成となりました気持ちを聞かせてください。
大晶:今年は自分にとって変化の年だったなと思います。スタンダードやラテン両方とも自分達がやってきたことから全く新しい情報を取り入れて、、最初は違和感しかなかったのですが、それをしっかりと毎試合まとめ上げることができて、最高の集大成になったんじゃないかと思います。
咲菜:ダンスの試合だけじゃなくてメディア活動もたくさんあった一年だったんですけど、地方をたくさん回ってベストな踊りができ、結果も伴って優勝することができたのは嬉しいですし、10ダンス選手権も優勝することができ、タイトなスケジュールの中でいかに集中して自分達に打ち勝っていくことができるかどうかが大事だったので、今年は自分に打ち勝てた年だったのかなと思います。
_10ダンスもでしたね!そう考えると咲菜さんの言うようにスケジュールや体調管理も相当大変だったと思います。何か意識をして気をつけていたことなどはありますか?
大晶:まずはとにかくたくさん寝ることと、毎朝うがいをしていたことです。
_シンプルですね。咲菜さんどうですか?
咲菜:ご飯(ボロネーゼ)を食べることを意識してハードスケジュールを乗り切れるようにしていました。あとは、毎試合神社に行くようにしていました(笑) 遠征前にも必ず「いつもありがとうございます」と神様に感謝をしてから試合に挑んでいました。
_ボロネーゼなんですね(笑) 神社に行くのは初めて知りました。それは今年から?
咲菜:今年からです。願掛けってやつですね!
大晶:そんな時間あった?
咲菜:うん。いつも寄り道して(笑)
_改めて聞いてみないと兄妹でも知らないことがあったりするもんですね!
_ぶっちゃけ、グランドスラムは意識してました?
大晶:全くなかったです。これは経験談なのですが、緊張とか自分の力が出せなくなる瞬間っていうのは成績を意識してしまう時だったりして、目の前の自分のやるべきことだったり、やりたいことっていうのをクリアしていくことだけに全集中すれば成績もついてくると思っているので今回もそれを実践できたと思います。
咲菜:試合の日は技術とか関係なく自分が楽しんでお客さんにも楽しんでもらえるようにということを毎試合考えながらだったので、グランドスラム達成への意識はほとんどありませんでした。でも、去年はスタンダードのグランプリは全部負けてしまっていたので、そういう意味では今年一年走り抜けられたことは本当に良かったなと思っています。
_去年の悔しかった思いが今年の成長と結果につながったんですね。
大晶&咲菜:はい!
_なるほど。ここまでのインタビューを通してそこまで記録というところに対しての意識が強くあるわけではなさそうですね。一方で、2024年、メディア活動も含めてとにかく限界まで活動していたように思います。大晶さんは腰を痛めたり、咲菜さんは足首を痛めたりと珍しく身体の不調もあったと思います。そこまでして限界に挑み続けた二人の原動力とは一体何だったと自分自身で考えていますか?
大晶:劣等感ですかね。人間って幸せな環境だと頑張れないと思うんですよね。いかにプレッシャーを与えるかが大事だと考えて「自分は満たされていない」と思うことでより貪欲に頑張れたのだと思います。そのプレッシャーに潰されるようだったら自分はそこまでの人間だっていうふうに考えて、、、
咲菜:私は完璧主義なところがあって、そこにまだまだ届いていない自分がいるので頑張らなきゃいけないって思いました。あとは小さい頃から負けず嫌いなのでお兄ちゃんにも自分にもしっかり勝って唯一無二の存在になりたいという気持ちで今年は頑張ることができました。
_何となく今までのイメージだと「応援してくれる人がいるから」とか「夢のためなら頑張れる」とかそんな感じの回答をもらえるかと思っていましたが、思ったより心の奥の方の言葉を聞けました。原動力は人それぞれですし、二人のダンスの深みにもつながってきますよね。
大晶:応援してくれる人がいるから頑張ること自体はアスリートとして当たり前のことだと思うので、唯一無二を目指していく上でもっともっと頑張るようなイメージです。
_それだけのプレッシャーに耐えなければ二人のような結果を勝ち得るということは難しいということですね、、、それでは最後にはなりますが、このインタビューを読んでいただいている方々に伝えたいことがあれば聞かせてください。
大晶:僕がダンス界の顔になります!ダンス界を盛り上げていきたいと思います!
咲菜:20年間ダンスをやってきて大変なこともたくさんあったんですけど、ダンスをやってて良かったなって今年一年を通して思えているので、ダンスの素晴らしさをもっとたくさんの人に広めていって、日本のダンス界がさらに盛り上がったらいいなと思います。来年からジュニア育成クラスも作っていくので、自分達が学んできたことを後輩に伝えていき、日本に恩返しができたらいいなと思っています。
_心強いコメントですね!私も一緒になって二人の動きを加速させていきたいと思います!改めまして、今日はありがとうございました。
大晶&咲菜:ありがとうございました!
大西大晶 -Onishi Hiroaki-
1998年11月17日生まれ/富山県出身
大西咲菜 -Onishi Sakina-
2001年9月2日生まれ/富山県出身